ピラティスってなに?
『ピラティス』とは、元々ドイツ人のジョセフ・H・ピラティスが考案した運動メソッド『コントロロジー(コントロール学)』からきています。
1880年ドイツに生まれたジョセフ・H・ピラティスは幼年時代、くる病や喘息、リウマチ熱などに苦しんでいました。
しかし、病を克服するために東洋と西洋両方の身体訓練法やスポーツを行い、14歳になる頃には解剖図のモデルになるほどの健康体になったということです。
色々な訓練やスポーツを経験してきた中でも、特に『体と心を完成させ、それを維持する』という古代ギリシャとローマの哲学に大いに刺激を受けました。
1914年第一次世界大戦中、イギリスで捕虜となり、収容所に拘留されてしまいました。しかし、この期間に仲間の捕虜達の体力と全般的な健康の回復を手助けしました。
これが後に『コントロロジー』と名付けられる身体調整法(現在のピラティス・メソッド)の始まりでした。
終戦後、1926年にアメリカ・ニューヨークに渡り、そこで妻クラーラと共にスタジオを開設。
ピラティスの噂が口伝えに広まり、その顧客は上流階級の人々や映画スター、医者、ダンサー、音楽家、体操選手、サーカスの芸人、ビジネスマン、職人、学生など多岐にわたったといいます。
しかし、当時ピラティスの熱心な働きかけにも関わらず、コントロロジーが医療や教育の場で正式に採用されることはありませんでした。
彼はこういったそうです『自分のメソッドは50年早かった。』と。
1967年86歳でこの世を去りました。
ピラティスの亡き後、まさしく50年の時を経て『コントロロジー』は『ピラティス』と名前を変え、今現在世界各国に普及。解剖学的根拠が証明され、医療現場での採用も徐々に進んでいます。
ピラティスでは、マットで行うエクササイズと、独特な器具を用いて行うマシンエクササイズの二通りがあります。
日本では今のところマットが主流となっていますが、海外ではより密に筋肉にアプローチすることができるマシンエクササイズが主流となっています。
またピラティスメソッドでは、特有の呼吸法を用いて体幹の筋肉、そして背骨にアプローチしていきます。
そのほか、四肢の筋力強化、柔軟性の向上、筋持久力の向上、呼吸器の強化などに大いに期待ができるエクササイズです。
ヨガでは静止状態で瞑想を行いますが、ピラティスでは運動状態での瞑想となります。
それにより、動きの質を高め、交感神経も活性化されますので、夜の副交感神経もしっかり働いてくれるようになります。
そうして自立神経も整っていくので、精神も安定していくことが期待できます。